クィンアント


あれから狂っちまいそうで
孕むばかりの言葉を抱いて
でも
後悔なんてしないんでしょうね きっと
何気ない振りをして
建前だけ祈って
事切れる日を恐れている
平衡も咽ぶ位の悲しみを
腸の中で温めて
逝き恥 雨曝しながら踊り狂って
安堵&徒労 そして
正当に伏せたほんの音が
じっとじっと責め立てる様で
真に受けたら滑稽を
笠に着た嘘が歩いている
あな、あな、貴方がたには
聴こえているかしら
穴が開いた心の飢えを
そっと凌ぐ様な
終わらない冬が愛惜しく思えてきた
どうせ見向きもせずに
踏み潰されてった
そうね、そうね、SOS。
嘘吐き程酷く啼いて
打てば響く痣が良く映えて
けどその傷だって
見ないんでしょうね
いっそ痛みに転げ落ちて
地獄まで轉げ堕ちて
そういう人生(ひと)を視止めている
(あい)してくれるのは貴方がただけ
(ころ)してくれたのも貴方がただけ
その足先で 熱で 罰で きつく
どうかあたしを圧し延ばして
どうせ何も気づけやしないんだわ
寒い寒い冬の最中
広くなった部屋に
淋しさを憶えてみた
未だ色付く前に老いさらばえてった
そうね、そうね、そうね、どうせ。
あな、あな、貴方がたには
聴こえているかしら
刎ね飛ばした頭の上を
ひゅっと偲ぶ様な
生温い唾をさもしく見惚れていた
きっと狭いキットで
飼い慣らされてった
そうね、そうね、そうね。
いつか無邪気な雨に
押し流されてった
そうね、そうね、SOS。

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